「普通の人」の感覚

By | 2016年8月2日

「チラシやフライヤーのデザインが最初に上がって来た時、
『ここが良くないから、こうした方が良い』と
思うのは、どこをどう見て判断しているんですか」

いま広報サポートのお手伝いをしている企業様の
スタッフさんからふいに質問されました。

もう意識すらしていなかったので、
改めて聞かれて、ちょっと考えたのですが、
きっと「普通の人の感覚」を持っているから分かるのではないかと。

普通って何よ、って問われるならば
「多数派、庶民の感覚」とでも言うのでしょうか。

広告は出来るだけ多くの人に伝えたいからこそ、
特別だったり、アーティスティックだったり、
前衛的である必要はないと思うんです。

例えば、看護学校の学生さんに向けたDMなら、
バイトから疲れて帰ったきたばかりの
一人暮らしの看護師さん(仮に独身・20代)になりきってみます。

ワンルームマンションの
エントランス横にあるポストを開けて、
ほかのチラシや郵送物などと一緒に
そのDMをくしゃっと片手で掴みとる。

エレベーターを待つ間、
チラシ専用のゴミ箱に
いましがたポストから取りあげたチラシたちを
一枚ずつちらりと見ては捨てていく。

ひとつのチラシを見る秒数は、2秒〜3秒くらいかな。
その2秒ではきっと
チラシの全容までは理解してもらえないでしょうね。

「とりあえず部屋でちゃんと見るヤツ」を
仕分けているだけのハズです。

じゃあその「ちゃんと見るヤツ」になれるのが
第一のハードル、ってことになりますよね。

彼女が一番最初に心ひかれるのはなんだろう。
バイトや看護学校の研修で疲れていてもなお、
欲しい情報ってなんだろう。
気になる言葉ってなんだろう。
なんだろう、なんだろう、なんだろう。
出来るだけ彼女になって考えてみる。

そうやって、いろんな人の気持ちを考えるには
きっと、“普通の感覚”が
出来るだけたくさんあるほうがいい気がします。
伝える相手の気持ちがわかる方がいい。

そう考えたら、人生経験のすべてが仕事の糧。
辛いことも、楽しいことも、苦しいことも、嬉しいことも、
良い広告が作れるようになるための、貴重な教材なのでしょうね。