【ルーツVol.7】職業:灯台もと暮らし編集長 /ライター/フォトグラファー 伊佐知美

By | 2017年6月18日

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既にWEB上でもリアルな場でも、根強いファンを数多く抱えていらっしゃるメディア「灯台もと暮らし」。「これからの暮らしを考えるウエブメディア」というキャッチフレーズのもと、編集長をつとめる伊佐知美さんに今回はインタビューさせていただきました。伊佐さんが主宰する、編集者・ライター・メディア運営者向けのオンラインサロン「編集女子が”私らしく生きるため”のライティング作戦会議」に参加させていただいてるわたくしは、伊佐さんにお会いして以来ずっとお聞きしたいことが山盛り。たくさんの質問を胸に秘めつつ、ひとりのライターとして、またひとりの経営者として、いろんなお話を伺いました。




「女性の働く地位向上を!」なんて大それたこと、
まったく考えていない

・松本
いつもオンラインサロンや、Facebookグループで投稿を拝見しているのですが、なんというか…海外を股にかけてカッコ良くお仕事されているのに、 “いい面”ばかりではなく、迷ったり、模索したりする様もそのままオープンにしてらっしゃるところが面白いなと感じていました。
ライターや編集者を目指す人にとってはもちろん、現役バリバリの人たちにもきっと「あぁ、リアルな話でいいなあ」と。

・伊佐
ありがとうございます(笑

・松本
単にライターやリモートワークへの憧れをあおるような情報発信の仕方じゃなくて、とても地に足が付いた感が個人的には大好きです。
ひとつお聞きしたかったのが、サロンの投稿でちょこちょこ見せてくださる伊佐さんなりの「迷い」について。いままさに、何か迷ってること、ってありますか?

・伊佐
そうですね。やりたいことはいっぱいあるんですけど…。
そもそも「どう生きていこうか」みたいなのに迷ってますね。
テーマがおっきすぎて、悩むとこじゃないのかなあ、とも最近思うんですけど(笑。
どう生きていこうか…。うーん、いや違うな、どう生きていこうというより、「どこで」生きていこう?ですかね。

・松本
場所ですか?それはけっこう、意外でした。これからも場所は決めないで行くのかな、なんて勝手に思ってましたが、そうではないんですね?

・伊佐
みんなやっぱりそう思うんですね(笑。
確かに旅は好きなんですけど、ずっと定住しないつもりもないんです。でもずっと旅人みたいに放浪して、たぶんこの人は家庭も要らないんだろうな、って思われてるらしい…(笑

・松本
(笑)確かに海外飛び回って、お仕事されている姿をブログで頻繁にみていると、そう感じている人もいるかも。

・伊佐
もうひとつ感じるのは、「伊佐は、女性の働く地位を上げて行きたいんだろうな」と、思われているふしがあること。…全然思っちゃいないです。(笑)

・松本
(笑)リモートワーカー=女性の働きやすさ=女性の地位向上、みたいな構図ですかね?
でも元々「女性の地位向上を!!」という具合に、先頭きって旗掲げるような肩の力の入った感覚は、伊佐さんからはまったく伝わってこなかったです。だからお話聞きたくなった、というのもありますが逆に力入ってないのに、影響力あるのはすごいなーとも思います。

・伊佐
いやいやいやいや…、影響力ないですよ…。だって先日トークイベントでご一緒させていただいたはあちゅうさんだったり、イケハヤさんだったり、ものすごい影響力ある方が周りにいると自分なんてもう“小者感”がすごくて…。なので、ホントに大それたことは考えていないんです。
ただ、海外を旅しながらリモートワークしていると、その動き自体がライターとして自分の個性にも繋がりました。好きで続けていただけなんですが、結果的に私の働き方に注目頂いているのは確かですね。

 

やっぱり人と会うのは大事
リモートは手段でしかない

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・松本
個人的には「女性とは?」「男性とは?」「働き方とは?」みたいな枠を、あんまり決めすぎたり、声を大にして主張し過ぎると、絶対当てはまらない人が出てきて、苦しむ人もでるんじゃないかな、と思ってまして。
極論ですけど、長時間労働がしたい人はすりゃいいし…って、本音の部分では思ってるんです。だからリモートワークもしたい人はすればいい。

でも解決出来たらいいなあと思っているのは「したくても出来ない人」がいる状況。
自分ではリモートワークしたいって思ってるけど、うまく出来ない人が私の周りには結構いっぱいいるんです。

・伊佐
なんでですか?

・松本
能力的にとか環境的にとか、理由はいろいろです。
例えばITリテラシーが低い人なら、ネットでのコミュニケーションが苦手だったり、ITツール自体に不慣れだったり。「Gmailの転送設定ってどうするの?」とか、細かいことがひとりで解決出来ない。つまり、リモートワークでふと分からなくなっても、横に聞ける人が居ない状況では仕事が進まない。そこで「あ、私ってリモートワークに向いてなかったんだ…」とふと気づく、と。
一方で、仕事はひとりで完結出来るスキルはあるけど、子どもが家にいると仕事が進まない…、とか、会社には行きたくても子どもが待機児童だから行けない、とか。いろんな人がいる。

・伊佐
ふんふん。家族の介護をしないといけない、という方もいますよね。

・松本
そうです、そうです。そんな上手くリモート出来ない人たちに、「上手くリモートワークするコツ」を伊佐さんがアドバイスをするとしたら…。いったいどんなコツなんだろうなあ、って。

・伊佐
うーん、どうなんだろう…。私の場合、リモートっていってもかなりのリモートですもんね。参考になるかな。何万キロ離れた海外でリモート、っていう…(笑。

・松本
超リモートですもんね(笑

・伊佐
でもわたし、タイムラインは東京だったんですね。
暮らしとか、寝食とかはきちんと滞在している現地時間にあわせてたんですけど、ありとあらゆるツールを使って東京のメンバーとコミュニケーションしてたんです。Googleはもちろんのこと、Slack(スラック)、LINEFacebookメッセンジャーTwitter…。なので東京の時間軸からそんなに離れてるな、という感覚はあまりありませんでした。

東京では会社や自分たちのチームがあって、みんなが私の不在分もカバーしてくれます。東京に居なきゃできなかった仕事、例えば打ち合わせにいく、などというフローは伊佐の代理で誰かが出席してくれるんですね。だから私も自分の仕事に専念できた、と。

あとは、編集者としての仕事も他のスタッフに助けてもらったり。海外ではセキュリティの問題で、渡航した最初の3か月だけはWordPressに入れなかった時期が一定期間あったんです。管理画面にログインできなくて。そんな時はライターが上げて来てくれた文章を、一番信頼している編集者に代理入力をお願いするなどしていました。
つまり、お互いの業務をカバーしあえる体制がある、ということもリモートワークが上手くいくポイントかもしれませんね

結局、100%遠隔、ずっとリモートワーク、では多分仕事って出来ないんだろうなあ、と
人と会うのはやっぱり大事で。リモートはあくまで手段でしか無いんだろうなあ、と思っています。

 

人生は制約がある方が
幸せかもしれない

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・松本
おっしゃる通り、「リモートワーク」は手段であり、ひとつの選択肢ですよね。別に、リモートワークじゃなくて働けるなら、会社にいけばいいんだし…。

・伊佐
そう。いや、会社があるってホントにすごくイイことですよ。
場所があるってほんとにイイ。

・松本
伊佐さんは、海外に行ってそう感じるようになったんですか?

・伊佐
そうですね。それはあります。帰国した今も思うかな…。

・松本
どんなところがイイと?

・伊佐
会社があることで、いいこと? …大丈夫かな?こんな話して(笑。

・松本
ダメならカットします。(笑)

・伊佐
人生は、制約がある方が幸せだ、ってことです。

・松本
うーーん!深い!でも分かる!!

・伊佐
深すぎて…ちょっと重たい話かもですけど。
「100パーセント自由」なんてね、結局不幸なんじゃないかな、と。
不幸とまではいわなくても、自由=選択肢が多い、ということでしょう?自分の責任が100パーセントの中で、たくさんの選択肢からいろんな判断をしていかないといけない。
でも何が起こっても「自分が選んだから」と、そこに答えは落ち着く。
すごく当たり前なんだけど、すごく厳しい世界でもある。
いま、大手企業に勤めてた時との一番大きな差を感じるのは、「昔は上司の愚痴言えた」っていうことですね。「あの人が…」とか、「このルールが…」とか、責任の所在を自分以外のところに探せる。
もちろん、フリーで仕事するのは楽しいんですよ、めっちゃ楽しい。だけど、自分の置かれている環境が、何ともいえないほど一気に広くなった、そんな感覚はあります。

・松本
全てが自己責任になりますもんね。

・伊佐
うんうん。会社に通うとか、自分の行く場所があるとか…。居場所があるってやっぱりすごくありがたいことなんだなって思います。

 

雑談こそ大事。

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・松本
仲間に会える場所って大事ですよね。他愛もない雑談したりするのも結構大事。

・伊佐
そう。雑談から生まれるモノとか、吐き出せることとか、意外と多いんです。
雑談ってすごく大事。むしろ一番いい企画とかは、雑談からですね。

・松本
今、会社のメンバーで一番雑談するのって、誰です?

・伊佐
うーん、どうだろう。代表の鳥井とはよく話すかなぁ。メンバーとは1週間に1回とか定期的にSkypeとかで話す機会を設けていたんだけど。編集会議とか。鳥井とは電話でも1対1でたまに話していたりしたかな。特に彼とは、日常的にslackで雑談しますね。
slackって最近は使っている方も多いと思うんですが、”LINEのみんな版”みたいな感じです。slackで連絡をとらないのは、この3年で数日あったかな?くらいで。

・松本
そういえば鳥井さんって、伊佐さんにとってはどういうポジションなんですか?
傍から見てるとなんだかユニットっぽく見えるんですが…。違うのかな?
例えて言うなら、ドリカム、みたいな…。

(両笑)

・伊佐
ドリカム?(笑)私が密かに好きなのを知って言った?(笑)鳥井とペア?というのはたしかにたまに言われます。

どうなんでしょう。でも、たしかに鳥井の会社で働けているのは、リモートワークする上で大きかったと思いますよ。

 

前に進み続けるメンバーとの
科学反応が楽しくてたまらない

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・松本
鳥井さんと一緒にやろう、って思った決め手って何かあったんですか?

・伊佐
私がいま所属している株式会社waseiは、鳥井のほかにも創業メンバーがふたりいるんですよ。
私と、立花っていう女性編集者と、小松崎っていう男性カメラマン。
この4人が元々同じ編集部に居て、その人たちの創るモノとか、肌感とかがすごく、お互いに好きだったんですね。このメンバーで何かモノ創りしたい、一緒にしたいっていう流れで今のカタチがあります。私の人生で一番最初の編集者が立花なんですけど、鳥井は当時のチームで編集長だったんです。
色んな編集長とお仕事させていただきましたけど、この人の創るモノって誠実だな、信頼できるな、と。なにより私の能力を一番信じてくれたのが鳥井だったんです。

・松本
いま「灯台もと暮らし」筆頭に、いろんなメディアを運営されていますよね?このチームで動くモチベーションって「楽しい」という感覚に尽きますか?
なんというか…、今この4人をメンバーとして選んでモノづくりをしてる、伊佐さんの真の“ツボ”ってなんだんだろうなーと。鳥井さんの「誠実」さ、みたいなキーワードも出てましたが、他メンバーの誠実さにも惹かれて動いてます?

・伊佐
このチームで動くモチベーション、かあ…。「旅」はまた別軸です?

・松本
あ、そうですね。もちろん、このチームだからこそ「旅」というモチベーションも満たされているのだと思うのですが、それとは別に、なにか伊佐さんの中で軸になっている要素ってありますか?という質問です。

・伊佐
うんうん。
要は、なぜこの4人でチーム組んでるのかみたいな話…?

・松本
はい。さっきの、「居場所」があることへの価値も確かに感じてらっしゃると思うんですが、極論、場所は他にも作れるじゃないですか。
でも今「このメンバー」で、もの創りをする意味というか、このチームでいるメリットとか、魅力みたいなものが何かあるのかなあ、と。

・伊佐
なんかあるんですかね?(笑
きちんと言語化したことは無い気がするなあ…。
なんだろう。でも楽しい。

・松本
意識したことはないですか?

・伊佐
そうですね。あー、でも面白いと思うのは、みんなが変わってきているから、かなあ。
今ね、出逢ってから3〜4年経ったんです。
全員年が違うんですけど、それぞれにやりたいことがみんな変わってきてて。
「暮らしながら働けてる」と言う感じ。伝わりますかね…。
お互いの変化を楽しみながら、また化学変化が起こってるという感じで、そこが面白いんです。

・松本
それいいですね!みんな前に進んでるってことですね。いいなあ、いいなあ。

・伊佐
うんうん。みんな前に進んでる。
でも私はけっこう欲が強い方でね。わがままというか、「これやりたい!」みたいな欲望が強いほうなんですけど、ほかのメンバーは全然そんなことなくって…(笑
私だけどっちかっていうと異質。みんなはもっと穏やかなんです。

・松本
(笑)なるほど。すると、4人でバランスがとれてるってことなんですかね?

・伊佐
そう。だけど、みんなに共通しているのが「前に進むことを特別に思ってない」ということ。普通なんですよ、彼らにとっては変化することが。

・松本
なるほど。みんなの中で当たり前のことにあえて「いざ進め!」と、旗をふらなくってもいい。それぞれのペースで着実に進んで行けばいい、と。
そういう集団なら確かに、愚痴なんて出ないんでしょうねー。
愚痴が出やすい集団って、往々にして進みきれてない組織のような…。
愚痴が出ない、だからストレス感じない、ゆえに楽しい、と。

・伊佐
うん、楽しいですよ。楽しい。ま、楽しいだけじゃ生きていけないですけどね(笑。

・松本
うん、でも大事ですよね。

 

リモートワークするのに
雇用形態はあんまり関係ない

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・松本
伊佐さんみたいに、楽しくリモートワークしたいなら
まずは「フリーランスになれ」って言いますか?

・伊佐
リモートワークがしたいなら…?
いや、いや。リモートワークは誰にでも出来ると思ってます、私。
会社とか、フリーとか、あまり関係ないと思うんです。
クリエイティブ職とかデザイナーとか、だけがリモートワークに向いてる訳ではないと思うので。

職種とか、雇用形態とかよりも、大切なのはその「頻度」かなあ。
週5日リモートワークって、結構良くないなと思ってて。
半々か、リモートワークがちょい多いくらいか。今はそんなペースなのでちょうどいいんです。

会社務めしてる時も事務仕事って結構あったんで、パソコンの前に座ってることは多かったんですよ。でもこの作業って家で出来るんじゃない?と。
確かに金融業は「持ち出し禁止」とか制限はありますけどね。
でも週1日ペースくらいでリモートワークを取り入れるなら、実は結構いろんな組織で出来るんじゃないかと思ったりしてます。プレゼン資料作るなんて、どこでも出来るし。

・松本
ちょっとリフレッシュも兼ねて、みんなリモートワークしたほうがいいよって感じですか?

・伊佐
うーん…やってみたいなら、みんなやったらいいんじゃないか、って思うんですね。
だってけっこう、楽じゃないですか? リモートワークって。
なんでみんな、週5で毎日2時間電車乗って同じ場所へ行ってるんですか?
…いや、分かりますよ、わたし会社員だったから。めっちゃ分かりますよ、同じ場所へ行く理由は。

(両笑)

・伊佐
でも単純にそう思います。だって私、いまここに居てもいいし、バルセロナに居てもいいし、オーストラリアに居てもいいし。どこに居てもいいけど、たまたま今ここに居ます、と。そういう選択肢ができる人生って、けっこう楽じゃないですか?それくらいフランクに考えています。

・松本
そうですね。でも、会社に来てもいいし来なくていい、っていうように、働く場所は働く人が選べるっていう状況は、会社がスタンダードにしてあげないとなかなか実現できないですね。

・伊佐
そうですね。だから規模が大きい会社だと難しいのかもしれない。
社員のこと信頼しないといけないから…。

・松本
あ、そうですね。以前鳥井さんもTwitterで書いてましたね。
「スタッフを信用しないなら、リモートワークを取り入れるべきじゃない」みたいなつぶやきでした。あー、伊佐さんとの信頼関係があるんだろうなあと。

・伊佐
あれはねー、プレッシャーですよ。あれは。ああいうのは(笑。

・松本
(爆笑)
なるほどなあ。従業員からしたら、そっかー、そうかもですね、確かに。

いまずっとお話を伺ってるとね、伊佐さんの中でリモートワークって全然特別なことじゃなくて、すごく自然なことなんだなー、と。それはすごく伝わってきました。

ただ、「リモートワーク」っていう旬のワードゆえに、先のお話みたいに「女性の地位向上」的思想と混同して聞いてしまう人もいる。一方で「海外」とか「ノマドワーク」とか、ちょっとこう華やかなイメージだけを切り取って解釈してしまう人もいる。
なんというか、少数派のスタンスって正しく伝わりづらいんだなーと思いました。
会社勤めだけが正解じゃないし、フリーランスが絶対ってわけでもない。
うまく言えないんですが、個人が自由に生きていける術を、会社はいくつも用意してあげられるといいですね。

・伊佐
そうですね。ただ個人的に今は、だいぶ自由に働き過ぎて不安になって来たんですけど(笑。

・松本
(笑)年齢的にもそうなのかもしれないですね。30代って、いろいろ考える年頃ですもん…。

 

好きなことを、徐々に
リモートワークしていけるといい

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・伊佐
松本さんはリモートワークを推奨していきたいんですよね?

・松本
確かに「リモートワーク推進」って言うと、一般的にわかりやすいんですけど、実はリモートワークにこだわっているわけでもなくて。いわば属人的に働ける会社でいたいなあ、と思っているんです。つまり、働く場所は働く人が選べるといいな、と。その代わりクラウドとか、使える仕組みはフル活用して、徹底的に情報共有する、と。
でも正直、リモートの仕組みだけじゃダメだなあ、場所がいるなあって最近思っていて。そこはホントに、さっき伊佐さんがおっしゃった通りです。

・伊佐
場所、いりますよねー。いやあでも、基本はリモートワーク、いいですよ。
その選択肢が出来るっていう人生はいいと思う。
やってみて、一回やってみて、合わなかったらまた辞めればいいし。
リモートワークってすごく効率的だし、逆に何でやらないの、とも思うくらい。
でも大前提として「好きな仕事」でないと、リモートワーカーとして生きていくのは、難しいかもしれないですね。

・松本
なんでそう思いますか?

・伊佐
私はもう好きなことが仕事になってから…、いや、身の回り100%になってから、もうずいぶん久しいのでまったく違和感ないんですが、「9時―5時で終る仕事」ではないんですよね。
例えば9時から12時はお茶飲んでて、12時から始業とかもあるし、海外では、日中日が沈むまで遊んで、夜仕事するとか。自己裁量なので。でもそれでも自分でイイものを創りたいと思ってやるから、「好き」なことに時間をつぎ込むんです。

・松本
なるほど。仕事も人生も一緒で「好き」に囲まれたい、と。
好きなライティングであり、編集であり、旅であり…。チョイスしていった結果、リモートワークになっていったっていう。至ってそれは自然な流れなんですね。

・伊佐
そうですね、私にとってはすごい自然な流れです。いきなり、週5日オフィス勤務の会社員から今の働き方になった訳じゃなくて。ステップを踏んで今があるんです。
よく移住の話をするときも言うんですけど、いきなり田舎にポンっ!と行くよりも、二段階移住、とかのほうがいい。

・松本
二段階移住?ほうほう。

・伊佐
田舎暮らしがしたい人がいるとしてね。正直、知らない町にいきなり行くのって誰でも怖いじゃないですか。
例えば、その人が福岡が好きだとするでしょう?その時はまず福岡市内で、ある程度都会に近い生活スタイルができる場所に一回移住をする。そして普通に就職をして、週末とかにいろんな場所に遊びに行くんです。海とか山とか。そんな生活に慣れてからようやく本格的に動く。例えば糸島の端にあるちっちゃい村に移住する、とか。
いきなりよりもすごくスムーズに暮らせます。友達も出来るしね。

それと同じで、ライフスタイルや仕事の仕方をいきなり変えるって、どんなに望んだ環境でもストレスは絶対にあると思うんです。
私も週1回リモートワーク、とかから始めました。出張先で色々やって、「あー、仕事って場所変わってもできるじゃん」っていう成功体験から、週2回リモートワークになって、それが週5日になって、次は海外になって…、という感じなので。
徐々に、がいいと思いますよ。

・松本
なるほど。無理をしないって大切ですね

 

リモートワーカーになりたいのか、
ライターになりたいのか

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・松本
好きなことでリモートワークを、というお話が出たので質問なのですが、「ライターになりたい!」っていう人って、たくさんいると思うんですね。でもよくよく聞くと、それ、ライターになりたいんじゃ無くて、リモートワーカーになりたいんだよね、というケースも少なくない。
あ、これは決して責めている訳じゃなくて、「リモートワークしたい」っていうのに気付いてないだけなんだなあ…と。

・伊佐
多分、リモートワークをしたいっていう願望に対して「ライター」という職業が目に付きやすい時代なんだな、とは思います。
いきなりエンジニア、デザイナー、よりも、日本語が書けるならライターです、って言いやすい。

・松本
そうですね。でも書くことが好きで、ライターになりたい、っていう人なら絶対耐えられるんだと思うんですが、そうではなくて「リモートワーク」をしたい人には、辛すぎるストレスがライター業には多々ある。例えば編集者やディレクターからの猛烈な赤入れ(訂正)とか。
伊佐さんだったらリモートワーク思考の人に、ライター業は薦めます?
それとも「頑張るとイイ人生が待ってるよ」って励まします?どっちでしょう。

・伊佐
…本音でいいですか?いや…ライターになる気がないんだったら無理ですよ、この仕事。いくらリモートワークしたくても「やめたほうがいい」ってシンプルに言います。

・松本
やっぱりそうですよね。はい、愚問でした(笑

・伊佐
(笑)ライターって、日本国中みんなが「書けちゃう」からこそ難しいんだと思います。
でもライターの教育コストって実はホントにすごくかかる…。コストもパワーもすごくかかる上に、ライターが吸収する気持ちとか、前向きさとか、貪欲さを持ってくれてないと、何をやっても、響かない…。

・松本
いやもう、ほんとそうですね。

・伊佐
もっといえば今の時代、ニーズが高いWEBライターを未経験ではじめて、それ一本で生きていくとしたなら、さらに厳しいかも…。紙とか書籍でのライティングの経験がある・無しは、意外と大きいと思います。うん、ほんとに難しいと思う…。

 

素直な人はスキルも収入も
きっとあげられる

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・松本
やっぱり未経験からライターとして食べていくのって、当たり前ですけど難しいですよね…。例えば、伊佐さんの周囲で未経験から始めて、着実に単価をあげていっているライターさんとかいらっしゃいます?

・伊佐
いますよ。確かに未経験から始めると難しいですけど、1本5千円とか、1万円で稼ぐライターにはなれるんじゃないかな、と思います。結構、私の周りにも多いんですよ。未経験から始めて、いまは1本1万円くらいの仕事してます、みたいな人。

・松本
へえー。そのライターさんたちに何か共通する要素ってあります?
ライターとして成長出来る要素、にもなるのかなと。

・伊佐
うーん、プライドが無い人? いい意味でね

・松本
学ぼうと出来る人、ということですか?。

・伊佐
そうそう。一生懸命書いたコピーに赤字入れられて、素直に「わーい、良くしてくれてありがとう!」って思える人。

・松本
大事!大事!(笑)

・伊佐
「わーすごい、この人の記事、いい!」みたいに人の記事を参考に出来る人は強い。
そうじゃなくて、上がってきたコピーに赤入れしたら「わたし、結構頑張ったんですけど…」みたいな人は、「じゃあ、違う所で頑張ってくださーい。」ってなる。

・松本
(笑)そうですね。でも東京と大阪って、単価も違うなって思いました。スキルあげつつ、仕事取っていく場所も大事なのかな、とも。

・伊佐
それはめっちゃ聞きますよねー、やっぱり東京と地方とでは単価が違うって。
人間関係も西の方が濃かったりしますよね。
わたしね、あんまり「人脈」って言葉好きじゃないんですけど、
でも人と会うこと、会いに行く、っていうこと自体は、とても大事なことだと思うんです。
松本さんとお会い出来たのもサロンに入って下さったからだし。
会うことを大事にするって、とてもいい思う。

・松本
そうですね。
私はいまもライターですけど、本職は経営者だと思っているので、私が従業員の出逢いをどれだけつくってあげられるかに、会社の成長・存続がかかってるなーと。私が外に出て行かないと会社の世界も、従業員の世界も広がらない。伊佐さんのサロンは勉強させていただくっていうのもありますけど、私には世界を広げる場所というか。おかげさまでいまお仕事に繋がるご縁も生まれたので。サロンという貴重な場所を作ってくださって、ほんとに感謝してます。

・伊佐
いえいえ!でもリモートワークって、ライターっていう職業とはホントに相性のいい働き方だと思いますよ。あっ、編集者は未経験からだとキツイと思いますけど…。編集は、もう奥が深すぎて…(笑。

・松本
ですね…。今日はありがとうございました!




編集後記

正直なことを言えば、今回のインタビューは私がインタビュアーというよりも、伊佐さんにインタビューしていただいた、そんな感じが否めません。私が考える「属人的な働き方」に対して、伊佐さんはどんなご意見なんだろう?伊佐さんはどうして場所に縛られず働いているんだろう?いろいろ、いろいろお聞きするうち、ハッと気づいたんです、「私ばっかり喋ってるやん…」と。さすがは伊佐さん、プロです、プロのライター・インタビュアーです。いやはや、人から話ひきだすの上手いです…。
なんて暢気に感想述べてる場合じゃないのは重々承知なんですが、ひとつだけ今回のインタビューを通じて感じた、伊佐さんの素敵ポイントをあげるならば。
それは「人と会うことを大事」にされているところ。バリバリのリモートワーカーなのに、日本国内には留まってないのに、人と会うのはとても大事だと言ってくれたこと。
やっぱりこの人、素敵だー!インタビューは完敗でしたけど、また語り合いたい女性のおひとりなのでした。

伊佐知美

灯台もと暮らし編集長 /ライター/フォトグラファー
1986年新潟県生まれ。横浜市立大学卒。三井住友VISAカード、講談社勤務を経てWaseiに入社。どうしても書き仕事がしたくて、1本500円の兼業ライターからキャリアを開始。2016年は世界一周しながらのリモートワークに挑戦。これまでに国内47都道府県・海外30カ国ほどを旅を重ねる。旅と文章とカメラと恋がすき。時折ポエムも執筆。